第13~16回第13回 自然素材をどこから使う?第14回 悪質な訪販業者が横行! 第15回 シックハウス対策規制について 第16回 建てもの探訪を見て ★【第13回 自然素材をどこから使う?】 自然素材ブームの昨今まず何から自然素材を使うかと 聞かれれば、ずばり!もう結論なのですが、 収納内部からはじめることをお勧めします。 なぜなら一番通気が取りにくい場所だからです。 収納内部が湿っぽい。匂いが良くない。 という方いますよね? 布団,衣服など入れる場所は普段身につける ものだけに特に気をつけたい箇所だと思います。 最近は国産の杉板や中国産の桐板を使った事があります。 部屋内に見える場所ではないので価格的に 高い材料を使う必要はありません。 吸湿性という機能だけに着目して使用するわけです。 においが良いのも副次効果と思えますね。 現在の押入の中にすのこを設置する事はよくみかけますが できれば壁面もお父さんに頼んでみたら? 普段は見えない部分にこそ、木(気)を使いましょう というお話でした。 ★【第14回 悪質な訪販業者が横行!】 ちょっと前ですが、建築雑誌にこんな記事が出ていました。 原文のまま掲載いたします。 …住宅リフォームが21世紀の成長産業として脚光を浴びるとともに、悪質な業者も目立ち始めてきた。その中心が訪問販売を軸とした業者であり、情報量の少ない高齢者をターゲットに法外な価格で屋根や外壁のリフォームを勧誘する。 一例を挙げれば、相場としては100万円程度の外壁塗装工事に400万、500万といった法外な価格を提示、モニターになれば半額にする。トークで契約を迫る。 さらに悪質なのは、見積書だから大丈夫といって印鑑を押させる。ところが、それがいつの間にか請負契約書に擦り替わっており、工事をしないならば契約額の40%を支払えと弁護士名で内容証明郵便が届く。恐ろしくなって言われるままに工事をしてしまうという訳である。 このような訪問販売業者に『だまされた』『法外な価格で契約したが解約できないか』…等々、様々な問題が当相談センターにも持ち込まれる。 驚くのは、なんとこれらの訪問業者の何社もが売上高でリフォーム業界の上位に顔を並べている。まさに悪質な訪問業者が大躍進してきた1年であり、この勢いにブレーキがかかりそうにもない。これは由々しき事態であり、早くブレーキをかけない限りリフォーム業界の将来に暗雲が漂うことにもなる … 雑誌名:建築知識より抜粋 執筆者:八木正勝(財団法人住宅リフォーム紛争処理支援センター) 以上長々と紹介しましたが、他人事ではありません。実はすぐ身の回りに起きえることなのです。近くでも、実際にそんな経験をした人が居るのじゃないかと想像します。 こうなる責任の一端は実は私ども地元の工務店にも責任があるのじゃないかと思っています。 そんな悪質業者に、自分の顧客がひどい目にあう前に、何かできることがあったのじゃないか?と。 また東京都のアンケートでリフォームで一番困った事はという質問に 『どこにリフォームを頼んで良いかわからない』 が一番多かったそうです。 新築時に工務店で作ってもらっても、リフォームはその工務店は取り扱っていないと思うことが多いのだそうです。 これは工務店は一度家を造ったお客さんを『ほったらかし』にしていた証拠と思わなくてはいけないことなのですね。 わたしも反省!反省! ★【第15回 シックハウス対策規制について】 その1 【シックハウス対策規制の流れ】 2002年7月5日 建築基準法の一部改正が成立 (1年以内の施行) 現在はこの状況 規制の中身となる技術的基準 (政令)やその細部を規定する最中で、省令などが制定されます。 2003年7月 シックハウス規制がスタート 規制の対象となる化学物質追加検討 2003年以降 規制の対象となる化学物質の追加 その2 【シックハウス対策規制のポイント 】 現在、政令案をパブリックコメントで公表中 国土交通省のHPに試案を発表してますが、 その中身をみますと以下のようなポイントが見えてきます。 ①気密住宅の換気設備の設置義務 気密性の高い建物(在来住宅、2×4・開口部の少ないRC造など)に24時間換気設備の設置が義務付けられる (おおむね1時間に居室の空気が半分入れ替わる) ②クロルピリポスの全面使用禁止 (シロアリ用の薬です) 居室のある建物は、居室以外(床下、小屋裏)でも クロルピリポスが含まれる建材の使用ができなくなります。 ③ホルムアルデヒドを放散する建材の使用制限 規制される部位:居室の壁、天井、床の室内に面する部分 仕上、及び開口部の建具 規制される建材:合板、壁紙、フローリング、樹脂系の接着剤など 規制対象外の建材:無垢材、金属、大臣認定品 Fc0、E0より上位の新しい規格の建材 その3 解説 かねてから社会問題になっていた住宅による健康被害を 防ぐため、来年から新築、増改築時のシックハウス対策が 義務化となります。以下に私なりの解説を述べてみます。 ①気密住宅の換気設備について 現在作られる家は、特にそれと意識しなくても 気密住宅、又は気密住宅に近いものになっていると想像すれば、 ほとんどの住宅に24時間換気設備を付けなくてはならなくなる? 気密の基準もこれから決まってくるそうですが… 24時間換気については、 配管内のカビ発生の問題…報告事例みたことあり、 メンテナンスの問題…フード等の清掃のしやすさが? 使用方法の問題…ついついスイッチを切ってしまう節約家対策 必要換気量の確保が不安定…配管に頼るシステムの宿命? などの問題をどうクリアしていくか? 換気のノウハウが必須となるが、メーカー品におんぶにだっこの 機械に頼る換気になってしまうのでは? ある国の換気の指針というのは部屋の用途ごとに換気量を 定めていたりしますが、日本の場合は基本的に部屋の体積の合計で 決定されています。(何人の家族でも) ある国の例ではタバコを吸う部屋では 換気量を増やす…当たり前と言えば当たり前 その部屋にいる人の人数で検討する…など 換気のノウハウをもっと勉強しなければなりませんね! ②クロルピリポスについて かつては最も一般的な防蟻剤。日本シロアリ対策業界では 今年4月より一般住宅での使用を自粛。 これについては代替品があるので、防蟻処理の薬剤確認を することで対処は割と容易。 ③建材の使用制限について 規制の対象に無垢材は入らないのですが、 注意をしなければいけないのは、集成材。 これは貼り合せるための接着剤が規制にかかりますので、 『木だからいいや』というわけにはいかないのです。 現在私どもが使っている桐材も接着剤使用の集成材なのですが その接着剤が認定により、使える面積が大幅に規制されるか 又は使用できなくなってしまうかもしれません。(どきっ!) また新しく設けられる規格はホルムアルデヒドの放散量が 一段と低いものになるわけなのですが、おそらく 今年7月までには各メーカーが新企画の商品を揃えてくるでしょう。名称はスーパーE0とかスーパーFc0とかになる? 又は☆4つ?とかいうみたいです。 その他 危惧する事は、害虫対策が?ということです。 これは合板がF2からF1に代わったとき 床材から虫が出てきたことがあるからです。 殺虫剤で対処するしかないのですが、 殺虫剤は人の健康にいいでしょうか? これは防蟻剤にもいえることですが、 人の害にならないということは=(イコール)害虫の害にならない 可能性があることです。 事実、シロアリ防蟻工事の保証も昔は10年だったものが 5年と短くなっています。 材料以外に他の方法も兼ね備えないと、 (シロアリで言えば、床下換気方法の検討など) 万全とはいえないことが増えてくるような気がします。 ★【第16回 建てもの探訪を見て】 現在TVで放映中の『建もの探訪』を見られたことがありますか?最近お客様がよく見ている住宅紹介番組です。 もう12年も続いている番組で、リポーターは俳優の渡辺篤史さん。最近物まね番組でも採点ゲスト、かつ出演者にもものまねされたことがありましたね。 この番組を見ていていつも思うのは、御施主さまはきっと設計段階から非常に家作りを楽しんでいるんじゃないかなということです。 当然TVの取材を受けるからには自慢のポイントも各自それぞれあることが見受けられます。この人はここが本当に気に入っているなあということが手にとるように伝わってきます。 渡辺さんが、かれこれ400軒近くの家を見てきてこんなことを言っています。 「雑誌や本を読んでいる人は多い…家づくりにマニュアルはない… 共に作っていく、苦しみを楽しみに変えて前向きに…何が何でも良い家 を建てたいという情熱があれば必ずそれに応えてくれる人はいる… 必ず夢はかなう…良しとする建物も感覚等によりさまざまだが家作りを楽しんでもらいたい」 私もまったく同感です。私自身もお客様と共に家作りを楽しみたいと思っています。 (基本的に家造りはたいへんな事ですがそれだからこそ楽しく!) また私は商売柄この番組を見ながら「いつかこのイメージ使いたいな」「何だあのパターンか」「手間(=お金)がかかり過ぎじゃないか?」とかぶつぶつ言っているわけなのですが、皆さんがこの番組を見るときは以下の2つを念頭において見てくださればと思います。 ①どんな生活をしたいかが漠然としているときに、実物を見ることにより、具体的な希望を見つけようとすること。 ②あんな風に作るとお金がすごくかかるんじゃないかと自分で決め付けないこと。 皆さんも楽しく番組を見てください! |